第一章-5、水底のうそぼう②(ADVマスト)

茜里「敵陣の本丸まであと少しよ」

礼士郎「流々!なんか前より敵が強くなってないか?」

流々「た、多分……七不思議の周りには強い霊が……吸い寄せられるの……かも」

吹雪「流々……大丈夫?」

流々「はあ、はあ……」

礼士郎「流々、どうした?顔が青いぞ」

茜里「汗も、尋常ではないな」

吹雪「……流々?」

礼士郎「流々、どうした?」

流々「……あの」

吹雪「……」

流々「帰りたい」

礼士郎「は?」

吹雪「どうしたの流々?」

礼士郎「……冗談じゃないんだな?」

流々「……」

礼士郎「流々?」

流々「……こわい」

礼士郎「へ?」

流々「こわいの……
汗が止まらない。
足の震えがどんどんひどくなる」

礼士郎「流々……」

茜里「……そうだろうな。
ここから先、空気がどんどん冷たくなっておる」

吹雪「……さすが“状態5”の幽霊ね」

礼士郎「流々……」

流々「覚悟が足りなかったのかも……
ごめん、やっぱり……」

礼士郎「……」

流々「この部活、私には厳しいのかも」

礼士郎「……わかった。いい」

茜里「よいのか?お主、抜けてどうす……」

礼士郎「茜里!黙ってろ」

茜里「む……すまぬ」

礼士郎「流々、俺がお前を誘った時、覚えてるか?」

流々「……うん」

礼士郎「逃げることは駄目なことじゃない。
……お前の人生。お前の自由だ。
退部は許可するよ。
外で待ってろ。今後のことは終わってから話そう」

流々「……」

―流々離脱―